前立腺肥大症の手術療法|手術法とメリット・デメリット

前立腺肥大症で、手術に踏み切る一定した基準はありません。
病期でいえば第2病期以降で、薬物療法で思うように
症状が改善しない場合や、残尿が100ml以上あり、
尿閉を繰り返すような場合に手術を考えるのが一般的です。

【前立腺肥大症の主な手術法】

○経尿道的前立腺切除術(TURP)
 先端に電気メスを装着した内視鏡を尿道から挿入し、
 肥大した前立腺を尿道内から削り取ります。
 痛みや出血は少なく、再発も少ない方法です。
 入院期間は1週間程度です。
 灌流液とよばれる、手術の際に膀胱内にそそぐ水が体内に入って、
 電解質のバランスを崩し、TURP反応と呼ばれる、
 吐き気や血圧の低下などの副作用が起こることがあります。

○レーザー治療
 尿道に内視鏡を挿入し、内視鏡からレーザー光線を照射して
 肥大結節を焼いて壊死を起こさせ、縮小させます。
 欠点としては、組織を焼いてしまうため、
 組織を採取してのガンの有無を調べられません。
 また、組織が壊死し脱落が起こるまで、症状の改善は
 しばらく時間がかかります。

○温熱療法
 尿道や直腸からカテーテルを入れ、RF波やマイクロ波を
 前立腺に当てて加熱し、肥大を小さくして尿道を開かせます。
 温熱療法は根治的な治療ではないため、半年~1年で
 症状はもとに戻ってしまいます。

○尿道バルーン拡張法尿道ステント挿入法
 肥大結節によって狭くなった前立腺部の尿道を
 物理的な力によって押し広げたり、
 管を挿入して尿道を確保する方法です。
 この療法は救急的な意味合いの強い対処療法であり、
 あくまでTURPやレーザー治療などの手術ができない方の
 ための処置です。


前立腺肥大症の治療法【薬物療法】

前立腺肥大に伴う排尿障害の原因には、a0006_001790.jpg
肥大した前立腺が尿道を圧迫する機械的閉塞と
前立腺平滑筋の過緊張による機能的閉塞が
あります。

前立腺肥大症の治療として現在行なわれている
薬物療法には、機能的閉塞に対しては、
α1-ブロッカーと抗アンドロゲン剤、
頻尿、尿意切迫、切迫性尿失禁など
不安定膀胱に伴う刺激症状には、
生薬や漢方薬で治療を行うのが一般的です。

治療は、まずはα1-ブロッカーを使用して、
機能的閉塞を解除することから行われます。

※α1-ブロッカーは、高血圧の治療にも使われることがあるため、
高血圧の治療を行っている場合は、医師に必ず伝えておいた方が
よいでしょう。


【それぞれの治療薬の効果と副作用】

■α1-ブロッカー
この薬は、前立腺や尿道の筋肉をリラックスさせることにより、
排尿時は膀胱頸部の開大を助け、尿勢を増し、
蓄尿時は膀胱の過活動を抑制し、頻尿を軽減させます。

現在、前立腺肥大症の治療に最もよく使われている薬です。

ハルナール、フリバス、アビショトなどという薬がこれにあたります。

副作用としては、めまい・ふらつき・立ちくらみなどが
起こることがあります。


■抗アンドロゲン剤
前立腺の肥大は、男性ホルモンの作用によって
おこるとされています。
そのため、男性ホルモンの作用を抑えることにより、
前立腺を小さくすることを目的とした薬です。

ただし、効果が出るまで数ヶ月かかる上、
前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAを減少させる作用があり、
前立腺がんの発生を隠してしまう可能性があります。

そのため、現在ではあまり使用されていません。

副作用としては、肝機能障害、性機能障害や女性化乳房などが
起こることがあります。


■生薬・漢方薬
排尿困難、頻尿、尿意切迫、残尿感などを改善させると
されています。

効果は比較的マイルドですが、副作用も少なく、
軽度の消化器症状を認める程度です。


前立腺肥大症の治療法

前立腺肥大症の治療には、薬物療法と、a0006_001790.jpg
手術療法がありますが、症状があっても
日常生活に不便を感じていなければ
治療は不要です。

治療を行う場合は、まず薬物療法を試み、
思うように症状が改善しない場合や、
おしっこをした後の残尿が100ml以上あったり、
尿が全く出なくなってしまう尿閉を繰り返すような場合に
手術療法を行います。

高温度治療、レーザー光線治療、電気メス治療は、
日帰り手術が可能です。

ただし、尿道閉塞が起こった場合、
手術療法を行っても、3割の方が症状が解消されないという
報告もあります。

前立腺肥大症の予防とさらなる悪化を防ぐ生活習慣
身につけてみてはいかがでしょうか。


前立腺肥大症と前立腺がんってどう違うの?|この症状、前立腺がんじゃない?

前立腺肥大症は、ほとんどの男性が、
高齢になるとかかるといわれています。

尿道を取り囲む前立腺の内線が肥大するため、
尿道が圧迫されて狭くなるため、
排尿障害を起こすことがあります。

前立腺肥大症の主な排尿障害は、下記の通りです。

・夜中にトイレに行くために起きる
・おなかに力をいれないとオシッコが出ない
・オシッコに時間がかかる
・オシッコが出るまでに時間がかかる
・オシッコの勢いが弱い
・排尿後、まだオシッコが残っている感じがする
・オシッコをした後、パンツの中にチョロっともれる
・オシッコが間に合わずもれることがある

前立腺肥大症は良性腫瘍のため、
周囲に広がったり、転移したりすることはありません。
jまた、前立腺肥大症から前立腺がんに進むことはないと
考えられています。

ただし、排尿障害があらわれて生活の質(QOL)が
低下するようになったら、適切な治療を
受けたほうがよいでしょう。

一方前立腺がんは、主に、尿道から離れた
外腺と呼ばれる組織に発生することが多いので、
早期のうちは自覚症状はありません。

しかし、ガンが進行し、尿道や膀胱を圧迫するようになると、
下記のような症状が現れるようになります。

1.尿が出にくい
2.排尿時に痛みを伴う
3.尿や精液に血が混じる

このうち、1の『尿が出にくい』は前立腺肥大症と
同様の症状ですが、2,3は前立腺がん特有の症状です。

前立腺がんはゆっくり進行するため、
早期に発見できれば、他のがんと比べて直りやすい
ガンとされています。

しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、
発見は遅れがちです。
進行すると、骨や他の臓器にも転移することがあるので、
思い当たる症状がある方は、早期に泌尿器科などを
受診するようにしましょう。


前立腺肥大症の病期と症状

前立腺肥大症は、実は高齢になるとa0001_009295.jpg
ほとんどの男性がかかる病気です。

前立腺は、膀胱のすぐ下にあり、
クルミほどの大きさで、内部を尿道が通っています。
この前立腺が年齢とともに肥大することにより、
尿道が圧迫されて排尿障害をもたらします。

前立腺の肥大は、前立腺組織が増殖することによって
おこりますが、ガンとは違って良性の増殖ですので
生命にかかわるような病気ではありませんが、
夜間頻尿などにより生活の質(QOL)が低下しますし、
ほうっておくと最悪の場合、"尿閉"という、
尿が全く出なくなる状態になることもあります。

前立腺肥大症は一般的に40~50代で症状が出始め、
60歳をすぎると半数以上の男性が、
放尿力の低下と夜間頻尿を訴えます。
そして80歳までには8割の方が
前立腺肥大症になると推定されています。

症状には個人差がありますが、
高齢の男性の多くに発症するため、
老化現象の一つといえましょう。
また、最近では"男性の更年期症状"とも
言われています。

一般的には、65歳をすぎると
治療を開始する人が多くなります。

前立腺肥大症には、第1期から第3期までの
病期があります。

【第1病期(膀胱刺激期)】
夜間にトイレに行く回数が多くなったり、尿がすぐ出ない、
少ししか出ない、時間がかかる、尿の勢いがない、
などの排尿障害の症状が出てきます。

【第2病期(残尿発生期)】
尿をした後もすっきりとせず残っているような感じがする
といった残尿感の症状が出てきます。

【第3病期(慢性尿閉期)】
昼夜を問わずトイレに行く回数が増え、
排尿にかかる時間が長くなり、
一回の排尿に数分かかるようになります。
最悪の場合には、腎臓で尿が作られるにもかかわらず、
尿が全く出なくなってしまう尿閉という状態になることもあります。


前立腺肥大症にならないために、そしてなってしまった場合のポイント

前立腺肥大症の最大の危険因子は加齢です。
これを防ぐことはできませんが、
それ以外の危険因子は避けることができます。

前立腺肥大症にならないために、
身につけておいたほうが良いと考えられる
生活習慣をご紹介します。

1.オシッコをガマンしない
排尿を我慢すると、腎臓で尿は作られるものの、
体外に尿が排泄されない"尿閉"になることがあります。

2.身体を冷やさない
特に下半身を冷やさないようにして、
骨盤内の血液循環を良好に保つようにします。

3.適度な運動を行う
適度な運動は血液循環を良くし、
前立腺のうっ血(血液の流れが悪くなり、滞ってしまうこと)
を予防します。
前立腺がうっ血すると、前立腺も腫れて尿の出方が悪くなったり、
最悪の場合尿閉になることがあります。

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4.便秘に気をつけます
膀胱も腸と同じ平滑筋とよばれる筋肉でできているので、
便秘の人は排尿状態が悪くなっている可能性があります。


【前立腺肥大症になったら】

すでに前立腺肥大症になってしまった方は、
上記4項目に加えて下記のことも心掛けてください。

○薬には十分注意する
利尿剤、抗コリン剤、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤など、
薬の中には急な尿閉を起こすものがあります。
他の病院で診療を受ける時は、
医師に必ず前立腺肥大症であることを伝えてください。
また、薬局では必ず『お薬手帳』を出してください。

○水分を十分取ります
夜間頻尿を恐れて水分摂取を抑えると、
脱水状態になり、腎機能障害を引き起こすことがあります。

○過度なセックスは控えます
神経質になる必要はありませんが、
長時間にわたる過度なセックスなどは避けたほうがよいでしょう。


前立腺肥大症の検査と診断 ~このような自覚症状があったら、泌尿器科の検査を受けてみて下さい~

前立腺肥大症は、男性であれば誰でもかかる可能性があります。
50歳を過ぎて尿の出が悪いと感じたら、
一度泌尿器科の検査を受けてみてはいかがでしょうか。

前立腺肥大症の診断には、一般的に次のような検査を行います。

○問診...排尿に関する自覚症状や、既往歴などを詳しく聞きます。

○尿流量測定...尿の勢いや排尿にかかる時間を調べる検査です。
  具体的には、コンピューターにつながった便器に排尿してもいます。

○直腸診(直腸内触診、直腸指診ともいいます)
 ...医師が肛門に指を挿入して調べる検査です。
  これが一番抵抗があるかもしれませんね。
   診察台の上に横向きにひざを曲げて寝て検査を受けます。
   苦痛も無く、1~2分で済みます。
   直腸診により、前立腺の大きさ、硬さ、
   表面の状態(なめらかさ・凹凸)がわかります。

○超音波診断(腹部エコー検査)
 ...腹部にジェル状の潤滑剤を塗って、プローブをあてる検査です。
   妊婦検診に立ち会ったことのあるお父さんなら、
   見たことがあると思います。
   プローブの反射波(エコー)から、臓器を画面に映し出して調べます。
   前立腺や膀胱の形、大きさ、残尿量などが分かります

○血液検査(腫瘍マーカーの測定)
 ...腫瘍マーカー検査は前立腺ガンとの鑑別のために行ないます。


前立腺に関係する症状(尿の勢い、排尿回数、尿が残った感じなど)を
点数化して前立腺肥大症の重症度を確認する「I-PSS(国際前立腺症状スコア)」
という質問表が診断の際に使われています。

実際には症状の頻度を数値化していくのですが、
自覚症状の参考にもなるので、質問内容をご紹介しておきます。

1.最近1ヶ月間、排尿後に尿が残っている感じがありますか。
2.最近1ヶ月間、排尿後2時間以内にもう一度行かねばならないことがありましたか。
3.最近1ヶ月間、排尿途中に尿が途切れることがありますか。
4.最近1ヶ月間、排尿をがまんするのがつらいことがありましたか。
5.最近1ヶ月間、尿の勢いが弱いことがありましたが。
6.最近1ヶ月間、排尿開始時にいきむ必要がありましたか。
7.最近1ヶ月間、床に就いてから朝起きるまでに普通何回排尿に起きましたか。


頻尿の原因は、睡眠障害の可能性も!

夜間頻尿の原因が、睡眠障害という場合も多いです。

一般的に寝付きが浅いと、夜何度も起きて
トイレに行く回数が多くなる傾向にあります。

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寝る前に入るお風呂は、熱いと交感神経が
刺激されて寝付きが悪くなるので、
ぬるめのお風呂に浸かったり、
枕を自分に合うものに変えたりして、
睡眠環境を改善するだけで、夜間頻尿が
治る場合もあります。

また、睡眠時無呼吸症候群が頻尿の原因の
場合もあります。

睡眠時無呼吸症候群は熟睡を妨げるため
昼間に耐え難い眠気に襲われたり、
仕事や車の運転に支障をきたすこともあり、
注目されている病気ですが、
熟睡できないために、夜にトイレに行く回数が
増えたりもします。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる方は、
医師の診断を受けてみてはいかがでしょうか。


頻尿かな?と思ったら、チェックしてみましょう

トイレが近くて困る、頻尿かな?と思う方は、
一度、排尿日誌をつけてみましょう。

毎日トイレに行く回数と、排尿量を測ります。
排尿量は、計量カップやメモリつき紙コップを利用すると
計りやすいです。

大人の場合、1日の尿量は1~1.5L、
トイレの回数は、日中に4~7回、
夜間では0~1回です。

日常的にこの回数を超えていると、
頻尿の疑いがあるとされます。

ただ、水分の摂取量が増えると、それに比例して
トイレの回数、尿量が増えます。
頻尿に悩んでいる人の3割は、水分の取り過ぎ
ともいわれています。

水を飲むダイエットなどもありますが、
頻尿で悩んでおられる方は、一度、
水分摂取量を減らしてみてはいかがでしょうか。

また、飲み物によってもトイレの回数は変わってきます。
コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを含んだ飲料や、
アルコール類は利尿作用があります。

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麦茶などのノンカフェイン飲料に切り替えると、
トイレの回数を減らすことができます。

飲料は嗜好性が強く、また、カフェインやアルコールを
飲んではいけないわけではありませんが、
頻尿で悩んでおられる方は、
試してみてはいかがでしょうか。


前立腺肥大症はほとんどの男性がかかる病気! 病期と夜間頻尿との関係

前立腺肥大症は、高齢になるにつれ、
ほとんどの男性がかかる病気です。

前立腺は膀胱のすぐ下にあり、
内部を尿道が通っています。
年齢と共にこの前立腺が肥大するため、
内部の尿道が圧迫され、排尿障害を起こします。

40~50代から肥大し始め、
60歳を過ぎると、男性の半数以上が
夜間頻尿(寝ている間に2回以上トイレに起きる)と
放尿力の低下を訴えます。

80歳までには、実に男性の80%の人が、
前立腺肥大症で悩んでいるといわれています。

前立腺肥大症には、第1期から第3期までの病期があります。


《第一病期(膀胱刺激期)》
寝ている間にトイレに起きる回数が多くなる、
尿の勢いがない、
尿を出そうとしてもすぐに出ない、
尿が少ししか出ない、
尿が出切るまで時間がかかる、
などの排尿障害の症状が出てきます。

これは、前立腺が肥大することにより、
膀胱の出口から尿道にかけて刺激されることによります。

50歳を過ぎる頃から、第一病期の症状が
出始める人が多いです。


《第二病期(残尿発生期)》
尿をした後も尿が残る、残尿が起こり始めます。
残尿量が50mlを超えると、尿をした後もすっきりとせず、
尿が残っているような感じがするという"残尿感"の
症状が出てきます。

残尿は不快なだけでなく、尿路感染や、
腎臓への悪影響が起こることもあります。

第二病期に入ると、不快で強い自覚症状が現れるため、
この段階で医師の診察を受ける方が多くなります。


《第三病期(慢性尿閉期)》
残尿量が300mlを超え、昼夜を問わず、トイレに行く回数が増えます。
また、排尿にかかる時間が長くなり、数分かかるようになります。

残尿の量が著しくなると、括約筋という、尿道の
弁やバルブのような役割をする筋肉が
膀胱の圧力を支えきれなくなり、尿失禁を
起こすこともあります。

さらに、多くの場合腎機能に障害が発生し、
最悪の場合には、尿が全く出ない"尿閉"という状態になります。


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